一番良いのは自分で気づくこと

たんぽぽでは毎朝、朝礼をしています。内容は前日の症例報告ですが、目的は「気づきの共有」です。

例えば、定期メンテナンスで来院された方。いつもより歯の表面がザラついていたようです。担当歯科衛生士が「何か変わったことはありましたか?」とお聞きすると、特に思い当たることはないとのこと。

ここで「そうですか」と終わりにしてしまえば話はそこまでですが、お口の中では何かが起こっているかもしれません。担当歯科衛生士はさらに、「炭酸飲料がお好きでしたよね?飲む回数が増えたりしましたか?」と質問。けれどこれも「特に思い当たることはない」とのお返事でした。

ところがメンテナンスの最中に、患者さんがふと「そう言えば…」と、何かを思い出されたようです。

「そう言えば最近、自家製ピクルスに凝っていて毎日朝晩食べてます。あと、ドレッシングのカロリーが気になるので、サラダにレモンをかけるようになりました」

この「そう言えば…」がとても大事なのです。

この方は、ピクルスのお酢や柑橘類の摂取が増えたことで「脱灰(*)」の時間が長くなり、歯の表面が溶け出してザラザラしていた可能性があります。ここで「そう言えば…」とご自分の食生活に気づかなければ、歯の健康を少しずつ損ねていったかもしれません。

人の行動は9割以上が無意識だと言われています。何でも自分で意識してやっているように思えても、実際は「なんとなく」「つい」やっていることがほとんどです。「甘いものは控えています」とおっしゃる患者さんの食事アンケートを見ると、「お砂糖入りのコーヒーを1日5杯飲んでいた」などというのはよくあること。人は、無意識の行動にはなかなか気づけないものです。

けれど、自分の無意識に気づくことができれば、そこから行動を変えることができます。なぜなら、「気づき」は本人の感情を動かすからです。

セルフケアが苦手な人に、歯科医や歯科衛生士が「歯を大事にしてくださいね」と100万回アドバイスしても、それほど効果はありません。それより、ご本人が自分で何かに気づいて「歯を大事にしよう!」と思えば、苦手なフロスをすんなり頑張ってみたりするのです。

気づきは発見です。気づきは驚きです。気づきはきっかけであり、成長のステップであり、気づきが感動を呼ぶこともあります。気づきによって感情が動くと、勝手に行動が変わります。

ですからたんぽぽでは「気づき」を大事にしています。患者さんが自分の無意識に気づいて、自分の力で行動を変えていく。一生自分の歯で過ごしていくには、正しいセルフケアを自発的に継続していくことに尽きます。これからも患者さんの「そう言えば…」を引き出せるよう、自分たちも日々の気づきを大事にしていきたいと思います。

(*)脱灰:口腔内はふだん中性(pH7)ですが、飲食によって酸性に傾きます。酸性になると歯の表面が溶け出す「脱灰」という現象が起こります。ピクルスのお酢やレモンなどの柑橘類はお口の中を酸性にしやすくなる食品です。

ご予約・相談はお電話ください

健やかな口と歯へ、温かく真剣に。

診療時間

アクセス

〒391-0013 長野県茅野市宮川4535-4 Googleマップで見る

専用駐車場完備(6台)
※混雑時には中央公民館の駐車場もご利用いただけます