知り合いに協力してもらってある実験をしました。紙に「食事」と「楽」の文字を書き、何と読むか尋ねてみたのです。
「食事」のほうは全員「しょくじ」と読みました。これは当然として、面白かったのは「楽」の読み方です。
食べることが好きな食道楽や食いしん坊な人たちは「たのしい」と読み、普段からあまり食事にこだわりがなさそうに見える人たちは「らく」と読みました。あとから聞いてみると、「夕飯作りはラクなほうがいい」とか「食事の後片付けはラクをしたい」とか、そんな発想も「らく」をイメージさせたようです。一人だけ「がく」と読んだ人がいましたが、彼は音楽家です。
どの読み方が良いとか悪いとかの話ではありません。食事に対するイメージが「楽」の一文字に現れているようで、面白いなと思ったのです。
人生80年として一日3回の食事を摂ると、単純計算で8万7600回。いろいろ差し引いても、私たちは生きている間に約8万回も食事をします。ものを食べることは生きていくのに欠かせない営みですが、そこには8万回の「たのしさ」を味わえる可能性もあるわけです。
フランスには食後を楽しむ「4C」があるそうです。
*Café(コーヒー)
*Chocolat (チョコレート)
*Cognac(コニャック)
*Cigare(シガー・葉巻)
この4つの頭文字Cを取った「4C」がアフターディナーを最高に演出してくれるのだそうです。
あるフランス人によれば、「我々は料理を芸術だと思っている。魂を込めて美味しいものを作り、それをゆっくり味わいながら食べる」。その仕上げが「4C」なのでしょう。フランス人は一回の食事に2時間くらいかけると聞きますが、彼らにとっては、食事を楽しむことがそのまま人生を楽しむことなのかもしれません。
体を作り、維持して行くのが食事なら、食事を楽しむことは心の健康のもと。そして、食べる楽しみに欠かせないのは「お口の健康」です。二十代や三十代では、自分の歯で食べられるありがたさがまだわからないかもしれません。けれども声を大にして言いますよ~。
歯を大事にしてね!
たんぽぽ歯科クリニック
マネージャー HM